2017/05
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舞台「身毒丸」復活。
この間、友人のお参りに行ってのち体調を崩してしまいました。
末娘の高校で風邪が蔓延していて、本人も一週間ほど喘いでましたが
どうもその最後の風邪をもらったようです。

先週の土曜日から友人たちと遊ぶ予定が入っていたので、かかりつけの先生に
色んな薬を処方してもらい、何とか金曜日の夕方には熱もひき、満身創痍の身で
出かけてきました。
その割には、舞台観て、炭火焼のお店、アジアンのお店とはしごし、最後には
イタリアンバーでグダグダになり(ウソです。)、まあ何とタフネスかと、自分で
笑ってしまいましたが、火曜日に友人を送っての翌日は、家で一日動けないという
不良の極みみたいな体たらくでありました。(笑

よく飲み、よく歩き、よく喋り、身体は疲れたけれど、久しぶりに会う友人達の
心に染み入る温かさが、また明日への原動力になるでありましょう。

以下、舞台のお話を。長いです。スルーしてください。


「身毒丸」

演出:蜷川幸雄 身毒丸:藤原竜也
撫子:白石加代子

ご存知の方もいらっしゃることと思いますが、初演は30年前に遡り、寺山修司率いる「天井桟敷」で上演されたものです。
それから十数年後に蜷川幸雄演出、武田真治主演で上演されました。
それより2年後、オーデションで蜷川氏に見出された若干15歳の藤原君が新たに身毒丸を演じ、ロンドン・バービカン劇場における海外公演の成功はあまりにも有名です。

再び藤原君が20歳で演じた身毒丸は「身毒丸ファイナル」として封印され、
もう二度と観ることができない筈でしたが、今年、ジョン・F・ケネディ・センター
主催のフェスティバル「JAPAN! culture+hyperculture」への招聘作品として
上演されることとなり、その凱旋公演として今回日本でも観ることができました。
演劇ファン、蜷川ファン、藤原、白石ファンにとっては待望の復活でした。

母を売る店で買い求められた女「撫子」と、その義理の息子「身毒丸」の
宿命的な禁断の愛を描いた作品です。
今回のワシントンでの論評は良くもあり悪くもあり、一世紀前の日本が舞台の
それも寺山修司と岸田理生の脚本が到底アメリカ人に理解できるものではないと
思われますが、摩訶不思議の寺山ワールドに度肝抜かれたことは確かでしょう。

核は日本の昔の家社会に起因します。
主であるお父さんが科白します。
「家があって、お父さんがいて子供がいて、仏壇があってご先祖様も沢山いる。
でも、お母さんがいない。」
旅芸人だった女たちが犇めく「母を売る店」で、家という器に母を買い求めます。
冒頭の摩訶不思議な幻想のパレードと、母がいて家が完成するという家社会の
二つの局面が象徴するように、絶えずこれが交差して、身毒丸と撫子の苦悩を
極限まで追い詰めていきます。
亡き母を求める身毒丸と母で在らんがために身毒丸の目を呪い殺してしまう撫子。

拙い文章なので端折りますが、最後、盲目になった身毒丸が再び撫子と巡り会い
求め合うシーンがあります。
「また僕を妊娠して下さい!」
継母である撫子に、身毒丸の言葉は一体どんな意味を持つのだろう?
心も身体も一体になり、撫子から生まれ出ずることが身毒丸にとっての
究極の愛のかたちと成り得るのか?
家が滅び、二人は抱き合いながら雑踏の中へと消えていきます。

25歳になった藤原君はもう18歳の身毒丸ではありませんでした。
声も太くなり、面差しも大人で、でもその成熟した安定感が重みを帯びて
義理の母「撫子」への一途な思いが果てない近親相姦への淵へと誘います。
すでに子供が母を追い求めるような愛の表現ではありません。
大人になった藤原身毒丸は胸が締め付けられるくらい官能的でした。

一方「撫子」演じる白石さんは5年前と少しも変ることなく、いやそれ以上の
圧倒さで迫ってきました。
こんな素敵な役者さんは多分もう出てこないでしょう。
子供の頃から観てるのに、何故かお歳を召してないふうで、寺山ワールドより
こちらの方が摩訶不思議であります。
舞台を縦横無尽に走りまわり、25歳と立派にラブシーンができる。感動の人です。


今回、大阪楽はりり姉さまとご一緒しました。
当日券を早くから並んでくださり、ご本人よりいい席で観てしまった。
(あとで席を替わったらよかったと気づき・・遅い!ごめんね。)
連日二人でワインを飲みイタメシを仲良くつつき、色んなお話をして
別れるときは舞台の終焉ほどに胸が痛みました。
また、そう遠くないうちにお目にかかりたいと思います。

こうして、私の怒涛の観劇ツアーは幕を閉じたのでありました。
埼玉での公演はこれから一ヶ月ほど続きます。お近くの方は是非。

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